概 要
地上デジタル音声放送の実現を目指して平成13年5月に設立発起人会を開催した「デジタルラジオ推進協会」は、10月23日に総務大臣の許可を得て正式に発足した。実用化試験放送局の予備免許についても、当協会の設立を条件に、9月26日付で交付された。10月25日には総務大臣を始めとする各界の代表を含む500人の参加を得て「設立披露パーティ」を開催し、会員各社が一致協力して地上デジタル音声放送によるマルチメディアサービスを実施していくことを内外に宣言した。
平成15年度開始の実用化試験放送については、東京は東京タワーから、大阪は生駒から、それぞれ空中線と送信機を設置して電波を発射すべく諸準備を開始した。送出・変調設備は東京・大阪とも事務所内に設置する。
事務所は、東京は港区芝公園に、大阪は大阪市中央区に置き、東京事務所は専務理事が兼務する事務所長以下6名、大阪は4名の、正会員各社からなる出向者により日常事務・連絡業務を行っている。
協会の事業運営の基本方針については、東京・大阪ともに正会員各社の代表で構成する地区運営委員会で審議、決定した。運営委員会は東京・大阪とも隔週1回開催とし、今年度はともに13回を数えた。平成14年事業計画・予算は合同運営委員会での審議後、理事会(3月7日)、総会(3月19日)を経て決定した。
運営委員会の下部専門組織として、技術委員会、受信機委員会を設置し活動を行った。技術委員会は、実用化試験放送に必要な各放送設備に関してプロポーザルを実施し業者を内定した。また、放送設備や受信機の開発に必要な技術運用規定(TR)の策定を行った。受信機委員会では、メーカー会員者も加わって実用化試験放送におけるサービス内容や望ましい受信機についての検討を行い、運用規定の策定にも貢献した。
放送番組審議会については、設立後、理事長が東京・大阪それぞれ7名の審議委員を委嘱し、第1回の審議会を開催して番組審議会規程について説明し承認を得た。また正会員社の現場制作者による「コンテンツ研究会」を立ち上げ、デジタルラジオの可能性についての議論を活発に行った。
広報については、設立総会後の記者会見のほかに、民間放送連盟が主催した全国大会で、想定される番組や放送・編集方式の展示などを行い、新しいメディアの誕生を世間にアピールした。またホームページを開設し、DRP(Digital Radio Promotion Association)という協会ロゴの周知、日常活動の報告、放送番組審議会の議事概要の掲載などを行うと同時に、会員向けに冊子「DRPレポート」を発行した。
「デジタルラジオ推進協会」立ち上げ直後である平成13年度は、事業の基盤整備と本格的準備期間である平成14年度へのスムーズな移行に全力を注いだ。
1. 地上デジタル音声放送の実用化試験放送の実施
(1)放送設備の建設・整備
地上デジタル音声放送実用化試験放送を実施するために、放送開始までに空中線(アンテナ)、送信機及び送出・変調(マスター設備)の各設備を整備する必要があり、その準備を行った。
<東京実用化試験局>
空中線についてはプロポーザルの結果古河電気工業㈱を内定し、東京タワー特別展望台直下に建設するために現場調査及び既設の無線設備の移設等の検討・調整を実施した。平成15年2月頃には完成し、微弱電波を発信し混信確認等を行う予定である。
また、送信設備及びマスター設備についてはそれぞれプロポーザルを実施し、建設・整備を行うメーカーとして送信設備は日本電気㈱、送出・変調設備は東芝㈱を内定した。いずれも完成予定は平成15年5月頃を予定している。
<大阪実用化試験局>
空中線についてはプロポーザルの結果、㈱加藤電気工業所を内定し、奈良県生駒市のNTT無線中継所に建設するために現地調査等を実施した。平成15年4月末を完成予定とし、微弱電波を発信し混信確認等を行う予定である。
東京、大阪両実用化試験局とも、空中線を含め各設備をリースとし、リース会社がまとめてメーカーに発注、協会がリースを受ける形態とする。
(2)運用規定の策定
地上デジタル音声放送の実用化試験放送には、移動体受信及び携帯受信をめざした音声放送及びデータ放送が考えられ、マスター設備、受信機製作に必要な運用規定(TR)(1.0版)(案)を策定した。
策定に当たっては「技術委員会」を中心に、<幹事会><PSI/SI作業班><CAS作業班><受信機・データ作業班><送出・運用作業班>の各班において半年間延べ55回の会議を開催し、集中検討を行った。
策定した運用規定(案)は、東京・大阪の運営委員会了承後、平成14年5月の(社)電波産業会(ARIB)規格会議の審議を経て、6月末頃に(社)電波産業会(ARIB)から発行される予定である。
2. 地上デジタル音声放送の放送サービスの開発
(1)コンテンツ研究会の開催
東京事務所、大阪事務所ともに平成14年2月から、放送コンテンツ開発のための研究会を発足させた。協会会員社の若手社員を中心メンバーに、考えられる放送サービスの洗い出し、メディア環境や聴取ターゲットの分析、番組編成のあり方、発売を期待したい受信機タイプのリストアップ、また放送開始当初の普及キャンペーンの方法論まで幅広く討議を継続した。3月末までに東京事務所では5回、大阪事務所では4回開催した。
(2)放送番組審議会の開催
東京事務所では3月26日、大阪事務所では3月25日に第一回の会議を開催した。正・副委員長の選出後、放送番組審議会規程及び協会の活動、平成14年度以降の主な予定について説明を行い、了承を得た。
3. 地上デジタル音声放送の需要動向等に関する調査研究
(1)受信機委員会の開催・運営
受信機委員会は、正会員から技術系委員と編成系委員とで構成し、事業者運用規定を定めるための地上デジタル音声放送サービスイメージの検討とサービス要求条件をまとめるとともに、サービス識別の基本要件、チャンネル選択条件の整理、受信機の機能等の検討を行った。
さらに、「著作権保護に関する研究会」を立ち上げデジタルコンテンツの不正防止の方策について、法制度・技術・コンテンツ利用交渉の面から検討を行い、中間報告をまとめた。
(2)(社)電波産業会(ARIB)へ入会
現在、同団体で検討が行われている地上デジタルテレビ放送やサーバー型放送に関する詳細な審議は、地上デジタル音声放送と直接的に関係する。これらの審議に参加することにより、最新の技術情報を地上デジタル音声放送の運用規定等の策定に生かし、さらに運用規定をARIBから発行する目的で、平成14年2月1日付で正会員として入会した。
4. 地上デジタル音声放送の受信の普及促進
(1)季刊誌「DRPレポート」を発行
正会員37社、賛助会員47社に対する協会の活動報告の一環として季刊誌「DRPレポート」を発行した。内容は<協会ニュース>(期間内の協会活動を紹介)<委員会報告>(各種委員会の活動報告)などで構成している。第1号は平成13年12月20日に発行した。(第2号は平成14年4月12日発行済)
(2)協会ホームページ(http://www.d-radio.or.jp)を開設・運営
協会のオフィシャルホームページを平成13年12月25日、開設した。内容は<はじめに>(奥田会長、亀渕理事長挨拶)<法人の概要><予備免許の概要><定款><会員名簿><役員名簿><組織図><入会のご案内><会員向け限定情報>(委員会報告等の限定情報開示)<放送番組審議会><お問い合わせ&ご意見><案内図><リンクについて>とした。
(3)設立記者会見・設立披露パーティを開催
法人設立許可直後の平成13年10月25日、都内ホテルで設立披露パーティを開催、併せて記者会見を行い、設立目的、経緯、内容などのPRを行った。パーティには各界から約500人が出席、奥田会長の挨拶に続いて片山総務大臣、海老沢日本放送協会会長、氏家民放連会長、森下電子情報技術産業協会会長から祝辞が述べられた。記者会見には新聞、テレビ、ラジオ、業界紙などの記者35名が出席し、活発な質疑応答が行われ、後日各媒体で報道、掲載された。
5. 経営管理関係
会員間の連絡、運営委員会、各委員会、作業部会間の相互連絡、情報伝達にLANを整備、活用し、さらに経理事務においては公益法人会計システム(東京・大阪)を導入、業務運営における電子化を進め効率的運営の基盤を整備した。
事業運営にあたっては、コスト意識を徹底し、経費の削減に努め、経営全般にわたって効率的運営を推進した。
(1)運営委員会の開催
協会の事業運営に資するための正会員全社で構成する運営委員会を定期的に開催し、様々な問題に対応した。東京事務所では隔週開催で13回、大阪事務所でも同様に13回開催し、東京・大阪全体運営委員会を1回(於・東京)開催した。
(2)リース会社の選定
地上デジタル音声実用化試験放送を実施するための、空中線(アンテナ)、送信機、送出・変調設備等の各設備はリース会社がまとめてメーカーに発注、協会がリースを受ける形態を採用する。このためリース会社選定にあたり、会員社及び会員社推薦社を対象にプロポーザルを実施した結果、東京実用化試験局では芙蓉総合リース㈱を代表者とする5社グループに内定、大阪実用化試験局ではセンチュリー・リーシング・システム㈱に内定、設備調達価格が決定しだいリース契約を行う。