2003年(平成15年)10月、東京と大阪で、地上波によるデジタル放送として日本で初めて開始されたデジタルラジオの実用化試験放送は、本年(平成21年)10月で7年目に突入します。この間、 (社)デジタルラジオ推進協会(以下、DRP)は、デジタル放送ならではの多彩な放送を展開、AMやFMのアナログラジオ放送とは異なる新たな音声放送サービスとして、ハード・ソフトの両面でさまざまな実験、実績を積み上げてきました。
一方、2011年(平成23年)以降の地上テレビジョン放送の完全デジタル化に伴って実現する新たな放送について、総務省「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」の報告書が昨年(平成20年)7月に発表され、デジタルラジオは、VHF帯のLow帯を利用した地方ブロック向けマルチメディア放送において、新たなサービスの実現が図られることとなりました。
これを受けて、新しいマルチメディア放送サービスの実現をめざし、新たな組織も立ち上がりました。昨年10月には、関東デジタルラジオ放送企画LLC合同会社、近畿ブロック・デジタルラジオ準備会を中心に、「懇談会」の方向性に沿って、デジタルラジオ放送のための帯域確保とその事業計画を立案する「デジタルラジオ全国連絡協議会」が設立され、本年2月には、受信機の早期発売をめざし、サービスイメージの検討、事業者運用規定の策定などを行う「VHF-LOW帯マルチメディア放送推進協議会(VL-P)」が発足しています。
新しいマルチメディア放送サービスの実現まであと2年半。現在、技術方式の検討や制度整備が進められていますが、今年度は、再免許の年にもあたり、これまで6年以上に亘り実用化試験放送を実施し、デジタルラジオの可能性を具体的に追求してきたDRPがそれぞれの組織と密接な連携を図りながら、今後ともいかに有効な役割を果たすことが出来るか、新しいメディアの実現にむけて、最も重要な年となります。
また、百年に一度といわれる厳しい経済状況は、放送業界にも大きな影響を与え始めています。とりわけ平成21年度(2009年度)は、ラジオ放送事業者のみならず、多くの会員社にとっても、極めて厳しい経営環境となることは想像に難くありません。そうした環境のもと、いかにDRPの機能を効率的で有用なものにしていくことが出来るかも重要な課題となっています。
他方、2006年(平成18年)に開始された「地下街等における電波遮へい対策事業」は、これまで東京と川崎,大阪、名古屋で実施してまいりましたが、平成21年度も、引き続き新たな遮へい対策事業の推進が求められています。
こうした状況の中で、新年度は、DRPの実用化試験放送を最大限に活用し、新しいメディアの実現に向けた支援を行うことを最大の目標とし、実用化試験放送の安定的運用を確保するとともに、新しいビジネスモデルの実験などさまざまな課題に取り組みながら、デジタルタルラジオ放送推進の要としての責務を果たしてまいります。
事業内容
1. 地方ブロック向けマルチメディア放送への円滑な移行を目指し、引き続き送出・送信設備の保守点検に努め、実用化試験放送の安定的運用の確保を図ります。
2. 実用化試験放送免許を持つ法人として、音声・映像・データのストリームサービス、通信連携サービスのほか、ダウンロードサービス、WEB連携、5.1サラウンド等の新機能について、様々なビジネスモデルの実証実験に取り組み、新規メディアとしての魅力を、マルチメディア放送に参入を希望している社とともに開拓できるようなスキーム作りを目指します。
3. VL-Pと連携を図りながら、DRPの実用化試験放送を活用した実証 実験の可能性を模索し、新しいメディアの技術検討に協力します。
4. アナログラジオ、インターネット、ワンセグ等他メディアとの連携を一 層深めたサービスを提供し、より多くの人々に対してデジタルラジオのサービスの認知度、理解度の向上を図るとともに、各社の放送の特色(多言語、動画、通信連携など)を活かした、トピックスを計画し、WEB・新聞・雑誌等でアピールすることで、デジタルラジオの魅力等について理解促進を図ります。
5. 全国のラジオ放送事業者及びメーカーなど賛助会員に対して、セミナーや連絡会などを通じて実用化試験放送で積み重ねてきたノウハウを伝達する役割も果たします。
6. 平成20年度までに実施した地下街等における電波遮へい対策事業の設備維持、保守管理に努めながら、新年度も新たな事業を積極的に推進します。
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